N.Y.Times 記事の日本語訳

大阪にて繊細でおいしくてしかも安いお店食べ歩き

by エリザベス・安藤

多くのアメリカ人がアメリカ北東部をあちこち行き来するのと同じように
日本では東京−大阪をたくさんの人が行き来する。商業的にもここ10年
で内外の人が大阪を利用する機会が増え それが大阪のおいしい食事spot
を増やしていくことにもなっているはず。

日本で京都は関西地方では優美で高級で伝統的な料理で昔から有名でした。
一方、大阪の料理の評判は安くて肩ひじのはらないもの。
去年の11月に出張で出かけた大阪で 繊細につくられていて美味 しかも
それでいて値段が安いお店を見つけてうれしくなりました。
見つけた5軒お店のうち3店は新しくまた1店は150年の歴史の老舗でした。


「しる芳」

もしあなたがアーサーゴールデンの "芸者の思い出"から思い浮かべる食事に
憧れるなら ここはまさにうってつけの場所。盛り場の喧噪から外れてひっそり
たたずむ戦後の町屋の中は、迷路のような廊下と畳の部屋。
着物を着た従業員があなたを玄関でお出迎え(私の場合、道に迷って電話を
したら私達の居る所まで迎えに来てくれました)
二階の部屋に通されると、漆のおちょこに入った金箔入りの食前酒と付き出しがだされました。

予約をするとき、私は「小皿会席」(文字通り、小皿のご馳走)と「豆腐会席」
を注文しました。それぞれのメニューは一人につき1万円。
日本で、豆腐は菜食主義者のためのものではありません。「しる芳」での豆腐会席は
絹こし豆腐を使った料理を二つ。一つは冬場のとうふ鍋 醤油ベースのだしに土生姜と
大根おろしを入れ、えのきと共に食べます。 あと一つは揚げだし豆腐 油でじっくり
あげた絹豆腐を味付けされた昆布だしにワケギをそえて食べるもの。
小皿会席には新鮮なトマトサラダに胡麻ドレッシングをかけ、やわらかなお肉の
薄切りも出されました。

次に私達の前によこわ(若いマグロの種類)のすばらしい刺身が出されました。
日本語でkingyosou(文字通り”キンギョの草”)と言われる食用の花が飾り付けられて。
kingyosouは英語でどうもへんなので、従業員に尋ねたら彼女はあわてて辞書を調べに
戻りました。しばらくして彼女は私達に”snapdragons”だと教えてくれました。

私達の宴の途中に女将がきちんと歓迎の意を表し談笑しに私達の部屋にやってきました。
残念ながら電車の時間があったためにゆっくり心ゆくまでお話しすることは
出来ませんでしたが、お店は私達の食事の最後まで気を配り心地よく私達を刺激して
タクシーまで送り届けてくれました。

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